場所、位置を考える
日々のトレーニング指導において
鏡張りであるスタジオでは指導をする位置、クライアントの位置によっては、本来伝わるはずの内容が伝わっていないケースがあったりします。
例えば、
BSQでいうと「ココまでお尻を下げます!」といったビジュアルキューイングの際に、鏡の正面で見せると思うように伝わらない傾向があります。
そこで鏡と平行になるように横向きになるようにBSQを行うとクライアントからは、トレーナーと鏡で見えるトレーナーが見え、両面の状態が良く分かるようになります。
そうする事で、クライアントはどこまでお尻を下げるかという基準の理解が深まります。
今後も引き続き、より理解の深まる角度を探しながら行なっていきたいと思います。
キューイングでのネガティヴワードはNG
クライアントにトレーニング種目を伝え、その種目を行いキューイングする際に「ネガティヴワード」はむしろ、マイナスなフォームを招いてしまう傾向が多いです。
例えば
・BSQでの後ろ足に体重が乗ってしまう人に対して「後ろ足に体重が乗せないように!」と伝えると余計に後ろ体重になってしまうのがほとんど。
・まだ見当たらないけど、絶対にカナブンやゴキブリが自分の顔に向かってバタバタと飛んでくるのを想像しないでください!といった時にも想像してしまいますよね。
・「ペンキ塗りたて。触るな。」と書いてある看板にも思わず触りたくなる感覚。
このように「ヒト」はマイナスなモノを想像しやすくなる生き物であるとも言えます。
※ネガティヴ思考が人間の本来のデフォルトである。と脳科学者の茂木健一郎氏の自身の訳書で説明をされています。
例の一つの中のBSQのキューイングとして、「後ろ足に体重が乗せないように!」ではなく、「前足の足裏全体に体重をもっと乗せてください!」というと、言われたことに対しての認識が強くなり、改善できることがあります。
つまり逆を返すと「ポジティブワード」。
なので、ポジティブにし一つは一つの成功体験も与えることにより、トレーニングが楽しい!という思考になってもらえるようなキューイングを行って参りたいと思います。
物事の基準を伝えること
普段のストレッチやトレーニングを行う際に、クライアントは基本的に動ける体ではなく、筋力不足、柔軟不足といった方が多いかと思います。
あなたの姿勢は◯◯で◯◯の為に行いましょう〜などトレーナーはやる本質を伝えることも重要ですが、その物事の基準を伝えることもクライアントにとって自分がどのレベルなのかが明確になり、重要とも言えます。
例として
・MST
・体組成測定で標準体重、体脂肪率
・トレーニングで重量、回数
これらの参考可動域や、標準、平均を伝えることにより、クライアントが自分がどのレベルに属するか明確になると同時に、トレーナーがそのレベルに対して逆算し、プログラムデザインもしやすくなるメリットもあります。
なので、常に「基準」というものを伝えるよう、心がけて行きたいと思います。
プログラムデザイン
プログラムデザインとは?
・主にゴール・目標・段階的メニューを計画することを指します。
最近では、プログラムデザインの構成が主に下記の二つに分かれています。
・短期集中型で高額
・長期継続型で低額
短期集中型で高額の方はその場での集中力ややる気、思いは強いですがゴールに到達したら突如「運動」や「適切な食事」から離れてしまう傾向が多々あります。
その後リバウンドが起こり、その努力に費やした時間と費用が全て無駄になってしまいます。
クライアントにそうさせないようにする為には、トレーナーが立てるプログラムデザインがとても重要となります。
【クライアントを今後継続させる重要な点】
・クライアントの先の先まで考える
どんなにキャリアやスキルのあるトレーナーでも、先を見据えたトレーニングや、伝えることが出来ないとクライアントは継続しようとは思いません。
自分自身の今までの人生を振り返った時に、「どうして水泳を辞めてしまったのだろう。」
と考えてみました。
責めるつもりはありませんが自分がスランプであった時に、指導者のプログラムデザインは先が見えずどうして良いか分からず、辞めてしまったのだと思います。
例えば「スランプだけど自己ベストを出したい。」というゴールに対して
スイム2時間、フィジカルトレーニング30分だったものを、フィジカル(基礎)を作り上げる為にスイム1時間、フィジカルトレーニング1時間半に増やし、2ヶ月後には筋肉量を3kg増やす食事方法にして一週間ごとには、〜などの具体的な目標(メジルシ)があればまた変わったかなと思います。
プログラムデザインを作る目的として
まずは、効力予期を高める(ワクワクさせる)ことが重要です。
例えば「しゃがみ込みがしたい。」というゴールに対して
まずはどのような課題があるかを分析(日々のカウンセリング)し、どのような方法、期間(戦略)を立てる必要があります。
・足関節が硬い
・膝関節が硬い
・股関節が硬い
・胸椎のモビリティがない
・時々、片足重心で骨盤の歪み
・体をひねる方向が同じで逆側の制限
などある仮定として、その中でまずどれをピックアップ(優先順位をつける)し、期間を設け、その途中過程の目標(目標設定)をどの区間で設けるか具体的に考えることで確実な「成果」へと繋がります。
そうしていくことにより、
クライアントは大袈裟かもしれませんが「この人になら人生の大半を託しても良い。」と思ってもらえると思います。
課題として、まずは今までの自身の人生を振り返った時に「スゴロク」を具体的にしたことはありませんでした。
なので、まずは自身のプログラムデザインのしっかり考え、その中で良いものが浮かんできたら、それをクライアントにもしっかり伝えていきたいと思います。
Before & After
クライアントの日々のトレーニング指導やストレッチをするにあたって、
例えば
・トレーニング始めてワンレッグSQが3回しか出来なかった人が3ヶ月後に20回出来た人。
・ストレッチではスクラッチテストで手のひら同士の距離がストレッチする前に比べて何センチ伸びたか。
このような場合にはBefore & Afterがしっかりわかるようなものを提供する事が大事であると思います。
撮影や、記入などの方法で見比べが出来るものを残す事でクライアントにどのように変わったかなどより明確に伝えることも、理解していただけます。
なので、何かを始めるときは記録に収めるよう、日々のトレーニング指導やストレッチなどに努めたいと思います。
行うことの理由を伝える
日々のセッションの中で、
トレーニング、ストレッチ、食事アドバイスなど様々な方法で指導をします。
その中で、
「ナゼ」このトレーニング種目なのか、
「ナゼ」このストレッチなのか、
「ナゼ」この食事法なのか、
ちゃんと選択した理由が必ずあります。
その選択した理由をクライアントに伝える事によって、自分の体を理解し、考えてくれてると思います。
それを伝えるか伝えないかによって
クライアントから見られる目が変わります。
例え、その理由を必要としていないクライアントも中に入るかと思いますが、伝えて損なことはありません。
なので、一つ一つを行う理由を長すぎず、簡潔に伝えていこうと思います。
運動よりも重要なこと
トレーナーはクライアントに対して、エンターテイナーであるべきだと改めて感じました。
もちろん、トレーナーはスキルがあって当然のことですが、その前にもクライアントとの信頼、続けてもらえるような提供をする必要があります。
それはいかに「運動」というものを楽しませるか、がカギとなります。
某大手パーソナルジムでは短期集中型が一般的ですが、その中に楽しさがなければ、せっかく作り上げてきたものも水の泡となってしまいます。
そうして、リバウンドして今度は運動に対する抵抗が生まれて来ると思います。
そうならない為には常にクライアントの最終的なゴールを自ら見据え、そこにたどり着けるよう、運動の楽しさを伝える必要があります。
さらに逆算していくと、楽しさを伝える為にはより多くのコミュニケーションを取る必要があります。
なので、これから新たなクライアントを出会っていくにあたり、沢山コミュニケーションを取り徐々に打ち解けていったら、運動の楽しさを伝えて、運動の継続に繋がるようなクライアントに変えていきたいと思います。